女は美人でない(ブス)方がいい(奥さん)

 「おまえ、化けたなあ!」高校のクラス会で浴びせられた言葉だそうです。子供の頃の仲間に会うと、その瞬間から時間が逆戻りして子供の頃の感覚で会話に花が咲くのは万人に共通した行為でしょう。多少の言葉足らずを水に流せるのも、竹馬の友で有るからかも知れません。「色っぽくなったなあ」とも言ってくれたとの補足もありましたが。

 高校の頃は丸々と太っていたらしい、(らしいとは、私は写真の一つも見た事が無いので人から聞いた話でしかないのです)その上チビときているから、同級生の男の子にはまるで相手にされていなかったようです。かなりの進学校に入ったものの、そこでは落ちこぼれであったようで、かなりのストレスを受けたようです。

 当時ですら、高校生でありながら、同級生同士で同棲している恋人どうしがいたとの事ですから、全ての面で進んでおり優秀であったのでしょう。仲間の多くが東大に進学する中である大学の農学部で育種の方に進んだものの、実習の農作業で真っ黒くなっていたようです。まあ、牧場にでもお嫁に行き、牛の飼育をするのを夢みていたとの事です。

 結婚したのは24才のときですから、もう太ってはいませんでしたし、多少は化けていたのでしょう。私は結婚する意志など全く無いのに義理で見合いをしたのです、今の人には信じられないかも知れませんが、まだまだ「見合い結婚」も多かったのです。まあ世の中がセットしてくれた「合コン」だと思って下さい。

 とにかく話がよく合ったのです、それまで読んだ本もかなりのものが一緒でしたし(本箱に2冊ずつ並んでいました)感性が近いと感じたのは事実です。「僕と結婚すると苦労するけどいいか」これが実質的なプロポーズの言葉でした、二度目に会った時には言っていたと思います。それから30年経ちました、それなりに色々とありましたが。

 今、私が最も多くいう言葉は「おまえが一番大切な女だ」でしょう。敵もさるもの「一番と言う事は二番があると言う事でしょ、どうしてオンリーワンではないの」「難しい事言うな、英語はわからん」。感性の相性は実に良い、とは二人の偽らざる心でしょう。理屈の上のトラブルなんて、なんとでも解決がつくとも又一致するところです。

 残念ながら2番目はまだいません。先日大学のテニス部の人も含んで若者と一緒に食事をした時、「マンションを買ってあげたいのだけど、誰ももらってくれないのだよね」と言ったところ、手を上げてくれた子がいたのです。間を入れずに「なるべく高いものを買ってもらいなさい、そうしたらその倍の金額のお小遣いがもらえるのだから」。

 なんと言っても一番大切な人の言葉は絶対です。私の中学の同級生は「目だ立たなくておとなしい子だった」としか言ってくれません。そんな私を今日の姿まで飼育してくれたのですから感謝以外の何ものでも無いでしょう。牛よりも数段大変な飼育だった事は誰の目にも映る疑いようも無い事実でしょうから。

 永遠に化け続けるのでしょうね、それもますます高度に洗礼されて。牧場の柵を、自らの力で広げる事には何の問題も無いのですが、どこまで行っても「キントン雲」なんだろうなあ・・・。


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